Producing Countries News Letter ~Middle America~

THE COFFEE TIMES

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Vol.

DOMINICAN REPUBLIC

08

2021

About Dominican Republic

・人口:1,073万人(2019:世銀)
・首都:サントドミンゴ
・言語:スペイン語
・主要産業:観光業、農業、鉱業、繊 維加工、
                      医療用品製造、サービス業
・名目GDP:889.4億ドル(2019:世銀) 
・経済成長率:-6.7% (2019:中銀) 
・失業率:5.85%(2019:世銀)

Coffee in Dominican Republic

・生産量(2019/20):39.6万袋(各60kg袋)

・生産国ランキング(2019):第24位

・国内でのコーヒー産業: ドミニカ共和国は、カリブ海に浮かぶ島々の中で2番目に大きいイスパ ニョーラ島の東側3分の2を占めており、西側にはハイチ共和国があります。 国土面積は日本の九州よりも少し広く、標高3,000mを超える山脈、「黄金の土地」と名付けられるほど肥沃なシバオ平野、コロンブスが世界で 最も綺麗な風景と絶賛したエンリキージョ湖など自然豊かな大地が広がっています。

気候は熱帯のサバナ気候に分類され、港町の首都サントドミンゴでは一年を通して蒸し暑い日が多いのですが、高地に位置する街では比較的過ごしやすい気候になっています。

植民地時代はサント・ドミンゴと呼ばれており、「新大陸」初のスペイン植民地となりました。その後スペイン人ハイチ共和国など様々な名前の変遷を経て、1844年のハイチからの独立、1865年のスペインからの最終的な独立時に現在の名称に定まりました。

Dominican Republic 1

 

〇コーヒー

ドミニカのコーヒー栽培は 1700年頃にアラビカ種の栽培から始まったと言われてい ますが、本格的にコーヒー栽培が始まったのは1844年の 独立後からです。

島には標高2,000m以上の山々が連なっており、山地では昼夜の寒暖差が大きいで す。カリブ海の湿った空気が上昇していくと冷やされ雲ができ、日照をコントロールして適度な温度・湿度を保ちます。

コーヒー豆が栽培されている エリアは大きく7つあり、ノロエステ、シバオ、シオラオクシデンタル、シエラセントラル、シエラスール、ネイバ、バラオナで栽培されており、ドミニカのコーヒーのほとんどは海抜600〜1,450メートルで育てられます。

農地は平均より3ヘクタールほど小さく、公式な認証はされてないものも多いですが、有機栽培を用いて松の木の屋根の下や、マカダミアやグァバの木の陰の下で育てられています。

島の気候は複雑な地形の影響を受けて、多様性がある ため、1年中島のどこかでコーヒーが育つ環境となって いますが、主な収穫期は11月から5月で4月にあるセマナフェスティバルという聖なるお祭りの時期にピークを迎 えます。 農家によって丁寧に手摘みでピッキングされ、水洗式でコーヒー豆を精選するため欠点豆の混入が少ないです。 栽培されたコーヒーチェリーは24時間以内に果肉除去し 自然発酵の後、水で洗い天日乾燥をします。乾燥後、袋詰めされて市場にまわります。 年間生産量の9割はヨーロッパに向けて輸出されます。 日本への輸出量は少ないので、日本では貴重な産地のコーヒーとなっています。

〇味わい

高地で育ったドミニカのコーヒーは、低地で育ったものよりやわらかな酸味を持つ特徴のコーヒーが育つ傾向が あります。その味わいは、よくブルーマウンテンに似ていると言われます。

ROUND POINT CAFE 4-2-7 Sakaemachidori, Chuo-ku, Kobe, HYOGO, Japan P1

実際にブルーマウンテンで栽培されている品種のティピカ種がドミニカでも栽培されてお り、気候も似ているために味わいも近く感じられるのだと思います。

しかし近年、ドミニカでさび病が流行ったことやハリケーンの影響で病原虫に弱く手のかかりやすいティピカ種からカトゥーラ種に変え る農家も増えているそうで、ドミニカのティピカ種は希少になっていくかもしれません。

ドミニカでは7つの地域で主に栽培されていますが、それぞれ風味や特徴が異なります。シバオで育つコーヒーはナッツの風味が感じ られ、しっかりとしたコクや甘さがあるのが特徴です。バラオナで栽培されたものは、豊かな風味と酸味がしっかり感じられる特徴があります。このようにカリブ海に囲まれた島の複雑な気候が、地域ごとのコーヒーの風味に大きな影響を与えています。

〇女性の活躍

Cafe Feminino Foundation: 2006年から FEDECARESコーヒー協力団体とともに、主に南部地域で支援プロジェクトを行なっています。南部では女性の生産者は存在してい るが、資源へのアクセスに乏しいことや貧困化が問題視されていました。多くの家庭では男性が稼ぎ主となっているため、女性の社会との関わりは薄いという社会背景があります。 そうなると、女性生産者が農業に関わるとなった時に、知識や環境が整いにくい状況になります。具体的には、運送に必要な道路環 境や地域の電気整備が不十分であることに加えて、多雨によるコーヒーのさび病に苦しんでいます。

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FEDECARESコーヒー協力団体は、情報の共有や教育、社会資源への容易なアクセス が行えるといった、コーヒー生産に必要なイ ンフラ整備を整える支援活動行なっています。

2013年には、パッションフルーツ栽培事業を推進しました。ドミニカの気候はコーヒーの栽培に適しているのと同様に、パッションフルーツが育つ環境でもあります。環境面に適しているだけでなく、パッションフルーツは高カロリーでビタミンも豊富であり、 ジュースやジャム、カクテルなどの加工品にも使われるため一定の需要が見込まれるため、生活を支えることのできる新たな農産業の一つとして期待されています。

そしてこのプロジェクトを通じて、バニ地域の13名の女性とその家族やそれに関わるコミュニティーに属する91名の従業員が、およそ26,572m³の農場で働いています。その13名の女性は自ら区間を管理しており、この活動が家庭内の収入の多様化に成功しました。

続いてドミニカ共和国の概況について少し見ていきたいと思います。

古くから民主主義と市場経済による成り立ちを経ていることもあり、現在は観光や金融などのサービス業が国の主な労働マーケットにはなっていますが、引き続き砂糖、コーヒー、カカオなどの農業についても重 要な位置を占めています。これらの輸出の半分はアメリカに向けられています。

そして、頻繁に受けるハリケーンによる被害に対しての耐性が弱く、また母子死亡率が周辺諸国よりも高いことへの警戒がなされ ており、その他の社会的指標(公共サービ ス、起業環境、経済的平等、ジェンダー教育など)に対する評価がやや低い点が今後の政策課題として挙げられています。

一方で、フレンドリーな国民性や幸福感などについては評価も高く、生活がしやすい国という事なのでしょうか。

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〇日本からの支援

広島県山県郡北広島町:2018年からホストタウン事業として様々な取り組みを行っています。講演会や郷土料理教室、ドミニカ共和国駐日大使館と交流を行ったり、スポーツ交流を通じてドミニカ共和国を身近に感じれる友好活動や支援を行なっています。2020年には、友好関係の強化を願ってドミニカ共和国駐日大使館から北広島町内の医療機関にコーヒーが贈呈されました。

〇Tetra Pak

スイスに本社を置く食品用紙容器の開発・製造を主たる業務とする国際企業であるテトラパック は、Food for Developmentの一環として教育省の学校給食プログラム(SFP)を支援する官民連携の進め方を示しました。2007 年、2009 年、2011 年、2013 年に4つの技術支援ミッションを実行し、世界中のSFP のベストプラクティスを共有しました。

さらにサポートの一環として、ラテンアメリカの国連世界食糧計画との間で、技術サポートを強化し、世界中の学校給食プログラムにおける補完的な専門知識を共有するための同意書に署名しました。

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〇東京理科大

2017年から3年計画で、ドミニカ共和国の数学教育の普及に取り組む「数学支援プロジェクト」がドミニカ共和国日本大使と日本の国際協力機構(JICA)とともに始められた。

その支援者の一人である、東京理科大学の特任副学長 秋山 仁教授は秋山教授は、首都に建設される数学博物館に展示する作品の制作、それらのスペイン語の解説書の準備、各種の数学講演を行いました。そして2017年には、実際にドミニカ共和国に赴き現地の数学博物館や教育機関で教員への研修や、学生に向けての講演会を行いました。

〇株式会社 明治

安定した調達を求めるサスティナビリティの活動の一環として、カカオ農家コミュニティを支援するための活動を行っています。2017年にはフェリペ・フェレイラ小学校、コンセプション・ボナ小学 校の2校を訪問し、文房具、黒板、本棚、地図、扇風機、インバーターなどを寄贈しました。2018 年位は学校への学習備品支援のほかに、医療センターへ医療機器類を寄贈しています。2019年度の活動は前年度の活動に加え、2年ほど前から支援の要請があったアタバレロ小学校に、水洗トイレを寄贈しました。雨漏りのひどかった屋根も新しいものに改修しました。こうした活動は 地元紙取材を受けて、ウェブ上で紹介されています。

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DOMINICAN REPUBLIC
                                   FINCA LA MANI

= ラマミ農園 = 
バラオナ州はドミニカ共和国の南西に位置し、ここポロ自治体から1735年頃に初めてドミニカのスペイン側領地にコーヒーが持ち込まれたのではないかと言われています。


ドミニカ南西部をカリブ海に沿って走るバオルコ山脈には、海岸からじかに切り立った山腹にも関わらず、コーヒー農園が点在しています。この山脈では、石灰岩や珪素質の地盤を腐葉土が覆っただけの脆い土壌にコーヒーが栽培されて います。
このような環境でコーヒー栽培を可能にしている気候とは、年間220日以上で雨が降るという降雨量や、カリブ海からのそよ風、寒暖差などがあり、それによりゆっくりと成熟したチェリーは独特の風味が生まれます。


近隣農園では化学肥料の使用量を極力抑え、また雑草の防除は手作業で行い、日当たりを調整するためのシェイドツリーはもちろんのこと、有機肥料として果肉の使用を進めています。また、バラオナ周辺の4州は野生動植物の宝庫であり、ワシントン条約附属書Iで指定されているいくつかの貴重な動物の生息地域となっており、生態系保護区域として自然環境保全を厳しく行っています。

(商品情報)

●生産国:ドミニカ共和国
●地域: バラホナ州ポロ自治体
●生産者:セサル・ロス
●標高:1,100 - 1,350 m 
●精製方法:ナチュラル
●品種:カトゥーラ
●香り:マンゴー、ドラゴンフルーツ、ストロベリー

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*COFFEE IN CUBA

ドミニカ共和国と同じカリブ海に浮かぶ島国 キューバ。こちらでも古くからコーヒーの栽培がなされていました。

1748年にスペイン移民がコーヒーノキを植えたのが始まりと言われており、1791年に興ったハイチ革命を境にフランス系移民が西部で開拓を進め、19世紀から20世紀初頭にかけてキューバ東部の山岳地帯にコーヒー生産が広がっていきました。

キューバ革命以前、コーヒーはキューバの主要な輸出品ではありましたが、革命を機にコーヒー産業が国有化され、徐々に生産量は減少していきました。 しかしながら、キューバのコーヒー産業について明るいニュースも出ていました。 

2000年にUNESCOはキューバ南東部の初期 のコーヒー農園を考古学的景観として世界遺産に登録しています。シエラマエストラのふもとにある19世紀のコーヒー農園の遺跡は、困難な地形での先駆的な農業形態のユニークな証と考えられました。

歴史あるキューバ産のコーヒーの特徴としては、苦みが少なく、甘い香りでまろやかにバランス の取れた味わいです。70-80%がフランスと日本へ輸出されていますが、日本ではブルーマウンテンと類似する特徴を持っている為、親しみやすい味わいです。

生産環境はというと、コーヒーベルトにふさわしい環境が整っています。豊富な年間降雨量 (1,900mm/year)、昼夜の寒暖差(約10°C)、標高、平均気温(平均25°C)など、すべてが適して います。

 

・生産量(2019/20):12.9万袋(各60kg袋)

・生産国ランキング(2019):第32位

   ちなみに、ゲイシャ種で有名なパナマの生産量は11.4万袋

   (2019/20)で、キューバの方が多いようです。

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キューバ自体、現在変革の波が来ているようで、 2021年4月にラウル・カストロ第1書記が退任し、 現在2つの大きな改革に向けて動き始めています。

 

一つは、現在の二重通貨制度の統一化、そして二つ目はこれまで民間部門で公的に認められていた就業分野が127分野であったのに対して、2000以上の分野で就業を可能にする閣議決定がなされた、就業制限の開放です。引き続き124の分野については国の管理が続く 用ですが、大きな前進といえるでしょう。

例えば、コーヒー関連事業でもイノベーションが 起こる余地があるのなら、コーヒー生産に従事 する人々の生活にも変化が生まれるかも知れません。

 

今後のキューバの動向が楽しみです。

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